惻隠(そくいん)の情か。。

 思いやりの心。ある意味、哀れみの心としてもとらえられることもあるが。日本人の心のなかには、常にあるということを考え、顧客の心理状態をいかにつかむかを考える力が今のIT業界の人々には無い・・・と言われたコラムを読み・・・う〜んとうなってしまう。
 なんとも言いがたいが、その心があだになる業界でもあることは事実で。一人一人がどうかと言われれば確かに薄い。それ以上に、人は人だからという気持ちがまだどこかにあるのをとても強く感じる。昨日もとなりのブースで似たような会話が、顧客側とベンダ側のリーダーとの間で交わされており、顧客側の部長ぶちぎれ。
 ベンダ側「そうは言われても、そういう態度で仕事をしているのは本人のモチベーションの問題であり、そういう状態で仕事をするのは結局は本人が損をすることですから」
 顧客側「本人がどうであれ、あなたたちにはチームという形で仕事を委託している。そんな道理が通るとおもうのか。あなたがそう思うのか、会社としてそう思って指導しているのかどっちだ。」
と・・問い詰められていた。
 このベンダの主張は、自分たちの立場をまったく理解していない方向性に向いている。業務委託という形で仕事をまかされているという重要なポジションと、リスクを考えていない返答。さすがに・・・顧客側の部長がキレ始めた。
 「あなたたちは、いったいだれのために仕事をしているのか。それに、どうしてそういうふうに断定的なものの言い方しかしないのか。なぜ、私たちに打診なり方向性をきちんと確認しないのか。」
もう、あ〜あ〜という感じでした。委託関係が長くなると、受注側にはおごりが発生するのは事実です。だからこそ・・なんですよね。
 顧客の情に流されて失敗しているSEは数え切れず。顧客からの依頼だから何とかせねば・・と思う判断は間違ってはいないが、正しい判断ともいえないことは周知の通り。ただ、最善を尽くすことは当たり前のことだが、つまらない情にながされても仕事は無理をきたす。思いやりの気持ちをどこでどのような形で示すか・・・この方法をしっておくということが一番だいじであるとおもっています。