Bookoff

にて。久々に105円本を購入。宮本輝さんの本ですね。大阪にいた十数年前はまっておりました(^^; 講演にもいきましたが、とってもおもしろく関西人だなあ〜と、九州からひっこしてきた私にとって大変楽しいひとときだったことを覚えています。
今回読んだほん。ずいぶん前のほんですが・・

オレンジの壺(上) (講談社文庫)

オレンジの壺(上) (講談社文庫)

上下巻あります。久々に文学にふれましたが、なんともこの主人公の25歳の佐和子の性格がイライラする(笑)そういう設定にした宮本輝さんに問いたい気分。お金持ちの社長令嬢で、大学をでて、父親が留学したほうがいいといったら・・して・・もどってきたら、今度は見合いしてさっさと嫁に行けといわれたから・・して・・、ひとまず結婚してみたものの、夫から女性としてまったく魅力がないといわれて離婚・・した。ここまで読んだだけでも、あーーうざい女。自分の意志はないんかい!とつっこみいれたくなりました。当の主人公、すべてこんなになったのは私が悪いのではなく、父親が進めたから、夫が言ったから・・自分は不幸になったという感じから始まる。この先からは大変おもしろくなるのだが、ようするにこの、つまらないといわれた佐和子が、祖父の遺言によって与えられた祖父の日記を紐解くところから始まり、そこから、一人の女性として自立していく姿をえがいているわけですわ。宮本輝さん、幸せが何かを問うには偉くめんどくさい展開だった。でも、祖父が主人公の佐和子だけにしかこの日記をあけさせなかった理由がわかりはじめたころから佐和子が変わっていきますね〜。
 だが、実は途中で投げ出してしまった。なぜか。佐和子の性格が、暗いから(笑)。もうさー、とにかくさー、ほんと元旦那の気持ちわかるわこれならってマジわたしもおもった。でも、人の気持ちはやっぱり誰にもわかんないわけで、ちゃんと少ない言葉でも声をかけて、意識をあわせることの重要性なんかをなんだかこの本で再度理解したような気持ちだ。思いやりすぎて、誤解を招きやすい人もいれば、話をしすぎて余計にどうでもよくあしらわれてしまう人もいる。言葉を発するって様々な受け取り方があるよな〜とか。筋道それましたが、宮本輝さんが描きたかった女性像ってほんとうはどういうものだったんだろうか。。いろいろな読み方があるが、肝心の題名となっているオレンジの壺・・よりは、私はこの出てくる女性たちの描き方に大変興味をもちました♪。