観世 榮夫氏502 Bad Gateway

この番組とても好きです。昨日たまたまかけたときに、能の観世榮夫(かんぜひでお)氏が出演されており、みていてう〜んとうなってしまった。それは、能特有の"すり足"について質問されたときに答えられた言葉。

高橋(アシスタント進行):そのすり足をするのに、とても筋肉が必要だというようなことを伺ったことがあるんですけれども、やはりそのすり足をするっていうのは、すごい大変なことなんですか?
観世氏:それはすり足に限らずですね、自然にっていうのかな、ナチュラルに動いていたって、ダメなとここありますからな。
 能の装束っていうのは、日本の着物も本来そうなんだけれど直線裁ちでしょ。直線をどういうふうに織り込んでいくっていうみたいな、そういう線の強さみたいなものが出なくちゃ駄目だし、動きもそうですからね。そのためには、ナチュラルに動いていたら駄目なわけでそれをやっぱり構成しなおすっていうことは、筋肉もちゃんとそれに向いたように仕立てなくてはならない。役者っていうものは、そうしていかなくちゃならない。だから稽古も必要だし、訓練も必要なんだと。

 着物の直線裁ちというのはわかっていても、その直線だとにそうような動きというのは、果たして意識していたかしら?とふとおもった。単純に、窮屈で小またでしか歩けない・・・・とはきれば誰でもわかるが、そうではなく、その直線裁ちしたものに対しての動きをここまで意識するというのはやはり難しいなあと。
 それにこの"すり足"の説明で、ひとの歩き方は通常一歩一歩ふむ『点』であること。しかしすり足は『線』で動く。重心が点移動ではなく、線移動。だから30センチの距離もとてつもなく長く感じるという。
 こういう説明を聞いたあとに能をみにいくとまたちがった面白さ見方があるなあと実感しました。そろそろまた行きたくなってきました(^^