手紙

 私は子供の頃、親類の子と文通をしていました。学校の前にしかなかった地井様文具店で、便せんと封筒のセットを選ぶのがとっても好きでした。香りがついているもの、キャラクターもの、裏側がお花模様で表がにすかしが入っている渋めの(笑)便せんが当時大好きだったことを思い出します。切手を貼り投函しにいくこともとても楽しみの一つでした。もちろん郵便やさんがくる時間は十分承知で、我が家の前にバイクが止まらなかったらがっかりしたものでした。
 当時、老人ホームのお年寄りと手紙の交換をしましょう・・とかそういう内容でボランティアさんが街中で案内をしているのが毎年ありました。私は小学生ながら、手紙を書くのが好きだったため、一人の老婦人とやりとりをしておりました。当時いくつだったの忘れてしまいましたが、その後母と知人の案内で、そのおばあさんのいる老人ホームに行ったことがありました。手紙とは、そういう心のつながりがあるものだと当時思っていました。
 先日亡くなった千葉の叔父の遺品の整理中、菓子の空き箱からでてきた山のような手紙。ほとんど昭和30年代後期から40年50年にかけてものでした。ほとんどが母(私の祖母)とのやりとり。便せん一枚につづってあるその字は、15歳で千葉に送り出した子を気遣う母の気持ちそのものの内容でした。時折、私の母や父が書いた、はがきも混じり、近況報告やたまには帰ってきなさいという内容や様々でした。
 今の時代だからこそ、利便性だけに走らず、もっとゆったりと『筆』をとる習慣なぞみにつけてはどうかと思う日々です。でも、現実的には、文通しましょう(笑)なんて人いませんね〜^^;最近は、手紙書くにも住所が必要で、下手に個人情報を漏らすとどうなるかわからないなどという時代ですから、困ったものです。
 ラブレターなぞもらったことは一度もないのですが、へたくそな字で大好きですなんて書かれていたら、落ちるとおもうけどな〜(笑)なんてつまらないことも考えながら、手紙について考えておりました。