夫婦の思い出

 ふっと思い出した。
平成10年の2月。59歳で他界した母と、この人は100まで生きるのではないか?と思える破天荒で元気な父親との二人の思い出。(笑)なぜか思い出したのはどうしてだろうか。
 母を想う男性がいたということは・・ずっとずっと後になっても、しつこく根に持っている父(笑)だったが、同様に、水害で若い頃大好きな女性が亡くなり、生まれたての私の名前を、父がその彼女の名前にしようとした事を、ずっとずっと後になっても、しつこく根に持っていた母(笑)。似たり寄ったりで子供からみると滑稽だ。いまだからほほえましいと思えるのだろうが、夫婦ってわからん。
 晩年しきりに仕事に打ち込み、楽しい楽しいといっていた母が、父と別れたがっていたのは、私と母との内密な話になってしまった。そんな母でも、死が近くなると、毎日見舞いに病院にくる父の手を握っていたのを思い出す。その思い出が、今、こうやって頑張っている父の唯一の思い出になったようだ。これは本当によかったんだろうか(爆)
 と・・話がそれた。父は、年をとったせいか、よく亡くなった母との若いころの話をする。特に、母が酔っ払ってしまい、お店から電話がはいって、父が迎えにいき、おんぶして帰ってきたこと。酔うとすぐ耳をかむ癖がある母は、祖母とまったく同じ癖だったこと。結婚前に、ある駅のホームで待ち合わせをしたこと、そのホームのおそばやさんで食べたこと。母の母(祖母)と父の母(祖母)は犬猿の中で、母とつきあいはじめのころ、父に祖母が怒鳴り込んできたこと。昭和30年代の話で、聞いてると時代背景もみえてとても楽しい話になる。(笑)
 一人になって生きることは、思い出にしがみつくこともあるのだろうが、その思い出が活力になっている典型的な人の姿をみているようで、とてもとても幸せな気分になる。自分のつくりあげた思い出にこんな人を幸せに感じさせるような瞬間があるのだろうか。。
 そんなふうに考えてみて生活するのもいいなあ〜とちょっとしんみりと考えてしまいました。^^ 秋ですね(笑)